研究課題
若手研究(B)
光顕・電顕観察および分子系統解析から我が国の海洋および淡水普遍的水域における鞭毛虫ファウナを明らかにした。(1)海水・淡水域ともバクテリア捕食者としてキネトプラスト類および無色黄金色藻が最も普遍的であり、アプソモナス類やアンキロモナス、ケルコ吊ナス類、ゴニオモナス類、襟鞭毛虫類も多く見られる。(2)海水域ではこれに加えて無色ディクティオカ藻やビコソエカ類も多いが、淡水域そも若干見られる。(3)真核生物食性の鞭毛虫としては海水・淡水域とも無色ユーグレナ類(一部はバクテリア食性)が最も普遍的である。(4)海水に多い真核生物食性の鞭毛虫としてはディプロネマ類、カタブレファリス類、テロネマ類、メトロモナス類、タウマトマスティックス類があり、淡水域ではディフレイァ類がときに(アオコ発生時など)多いが、バクテリア食性のものよりも少ない。(5)比較的まれなもの、もしくは貧酸素環境など特殊環境から見つかるものとしてはデイプロモナス類、トリマスティックス、カルペディエモナス、ロウコゾアなどがある。(6)鞭毛虫以外では、アメーボゾアや繊毛虫が多く、これに加えて糸状仮足アメーバ(ケルコゾア)、有中心経太陽虫、ラビリンチュラ類、ヌクアリア類、アクチノフリス類などが見られ、これらも水圏生態系において鞭毛虫と同様の役割を果たしているものと思われる。(7)顕微鏡観察ではほとんど見られないが、環境DNAサンプルからは寄生性のプロテイストが多く検出され、これらは植物プランクトンおよび消費者の個体数制御に大きく関わっているのかもしれない。これらの結果のうち、霞ヶ浦での結果を公開した霞ヶ浦のプロテスト(http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/PoK)を随時更新している。また東京湾天王洲水路より発見した無色クロララクニオン藻に関しては、微細構造観察・分子系統解析結果をもとに、親属新種として記載論文準備中である。
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