研究課題/領域番号 |
17770149
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石井 浩二郎 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (40360276)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | クロマチン / RNA干渉 / 染色体構造 / 反復DNA配列 / siRNA / 分裂酵母 / セントロメア / ノザンブロット |
研究概要 |
昨年までの解析により、分裂酵母セントロメアヘテロクロマチンの反復DNA領域から産出されているsiRNAは、その前駆体RNAにSIREという共通配列を有し、SIREが細胞内RNAi機構によるsiRNA産生に積極的に可能性が提示されていた。本年度はそのsiRNA産生誘導の分子機構の解明を試みた。まず、SIREによる前駆体RNAのsiRNA代謝はSIREの上流部分のRNAに限定されることをより詳細に示した。次に、SIREによるsiRNA産生の特異性を調べる目的で他のセントロメアDNA由来siRNAの鋳型配列との活性比較を行い、SIRE以外のsiRNA鋳型配列にも異所的なsiRNAを誘導する能力があることを示した。その活性は、容易に誘導siRNAが検出できる1000塩基前後の長さを用いた場合には両者とも同等の力価を示したが、セントロメア反復DNAに見られる本来の長さである376塩基での活性を測定したところ、力価自体は明らかに下がるが両者の能力の間に明確な違いがあることを、二つの異なるコンストラクト条件下で同様に検出した。SIREは特異的に新規siRNAを自律的に誘導する能力があるようであり、SIREに依存した一次的siRNA新規合成とその産物を利用してさらに増幅につなげるSIRE非特異的な二次的siRNA合成の2種類の機構の組み合わせで、分裂酵母セントロメア反復DNAに由来するde novoのsiRNA合成は行われていると考えられる。そのような反応にはRNA依存型RNAポリメラーゼの働きが不可欠であるが、実際にSIREに特異的に起こるRNAを鋳型にした微弱なRNA転写反応をin vivoで検出することに成功している。また、セントロメアヘテロクロマチン構造が不完全な状況でSIREを含むRNAの転写は内在性siRNAの産生に阻害的に働くことも発見した。そのような条件下ではSIREによる限定因子の競合が起きていると考えられる。
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