研究課題/領域番号 |
17770156
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川崎 善博 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10376642)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | APC / Asef / Neurodap1 / 神経突起伸長 / がん抑制遺伝子 / 神経 / 突起伸長 / ユビキチン化 / growth cone / NGF |
研究概要 |
癌抑制遺伝子APC(adenomatou polyposis coli)は、大腸癌の大多数の症例で変異が見出されており、大腸腺腫・癌発症の原因遺伝子であると考えられている。さらに、APCは脳神経系おいて最も高い発現がみられることから、神経細胞の機能に重要な役割を担っていることも示唆されている。さらに、我々がAPC結合蛋白質として見出したAsefとNeurodap1も脳神経系でもっとも高い発現を示すことから神経細胞の機能に重要な役割を果たしている可能性があると考えられる。 まず、我々は神経細胞のモデルとして一般的に用いられるPC12細胞を用いて神経細胞におけるAPC/Asef複合体形成の生理的意義を検討した。その結果、APCとAsefの結合を阻害するdominant-negative変異体を強制発現することによりNGF刺激で引き起こされるPC12細胞の神経様突起伸長を強く抑制した。さらに、RNAiによりAPCの発現を阻害するとやはりNGFによる突起伸長が強く阻害されることも見出している。これらの結果から、APC/Asef複合体が突起伸長に重要な働きをしていることが示唆された。 また、我々はゴルジ体の重槽構造の維持に重要な膜貫通型のタンパク質GiantinがAPCと複合体を形成することを見出した。さらに、GiantinはAPC/Neurodap1と三者複合体を形成するだけでなく、Neurodap1によるAPCのユビキチン化を促進することも見出した。これらの知見は、APC-Neurodap1複合体の生理的役割をより詳細に理解するうえでの重要な手がかりになったと考えている。
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