研究課題/領域番号 |
17770165
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大寺 秀典 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (40380612)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Bcl-2ファミリー / セミインタクト細胞 / オルガネラ / 細胞内物質輸送 |
研究概要 |
アポトーシス制御に機能するBcl-2ファミリー蛋白質の細胞内局在化の分子機構 前年度までにBcl-2ファミリー蛋白質輸送を視覚的かつ定量的に評価するための実験系(セミインタクト細胞系)を構築し、Bcl-2ファミリー蛋白質の輸送は一般的なミトコンドリア外膜輸送装置複合体(TOM)は依存しないことを明らかにした。本年度はさらに他のミトコンドリア外膜因子の関与を検討するためセミインタクト細胞をプロテアーゼ処理し、外膜細胞質側を消化した系で輸送を検討したところBcl-2蛋白質の正常な輸送が見られた。このことはBcl-2ファミリー蛋白質輸送はミトコンドリア外膜蛋白質には依存しないことを示唆している。しかしながらプロテアーゼにより消化されない外膜蛋白質であるVDAC2をRNA干渉法により抑制するとBakの輸送のみ特異的に阻害が見られた。VDAC2の発現抑制における効果はBak輸送だけに限定されBcl-XLあるいはOmp25では見られなかった。VDAC2はBakの細胞質領域に作用して機能すると考えBakの細胞質領域を欠失させた変異体でVDAC2依存性を調べた。その結果、本変異体ではVDAC2に依存せずミトコンドリアへの輸送が見られた。従って、VDAC2はBakの細胞質領域に作用し構造変換を引き起こすことでBakの輸送に機能することが示唆された。 前年度までにBakの輸送シグナルのみをGFPに融合させたモデル蛋白質輸送には細胞質因子は必要ないことを明らかにした。本年度はさらにBcl-XL、Omp25のシグナルについても同様の解析を行った。その結果、これらの輸送シグナルも細胞質因子に依存せず自発的にミトコンドリアへ輸送された。全長の蛋白質についても細胞質因子の要求性について解析したところ、BakおよびBcl-XLの輸送には細胞質因子の添加効果が見られたがOmp25には見られなかった。このことはすなわちBcl-2ファミリー蛋白質輸送には細胞質因子が必要であるが、それ以外のC末アンカー蛋白質輸送には細胞質因子は必要ないことを示唆している。本研究で、ミトコンドリアC末アンカー蛋白質輸送は細胞質因子に依存せず自発的に輸送されることを明らかにすることができた。
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