研究課題/領域番号 |
17770200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 翼 独立行政法人理化学研究所, 生殖系列研究チーム, 研究員 (00392027)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 生殖質 / エンドサイトーシス / RNA局在化 / Oskar / Rabenosyn-5 / 生殖細胞 / RNAの輸送・局在化 / 膜輸送 |
研究概要 |
ショウジョウバエの生殖細胞系列への運命決定は、卵後極の特殊な細胞質領域(生殖質)により支配される。生殖質は局在化した様々な母性蛋白質やRNAから構成されている。これら生殖質成分の局在化は、卵形成過程におけるoskar RNAの卵母細胞後極への輸送・局在化、および後極での局所的な翻訳により合成されるOskar蛋白質に依存する。しかしながら、生殖質形成に至る過程の分子レベルでの理解はあまり進んでいない。 研究代表者は、生殖質形成機構に関する新たな知見を得る目的で、生殖質成分の一つで、Oskar蛋白質依存的に卵母細胞後極に局在化するGFP-Vasa蛋白質をマーカーとして用い、生殖質形成が異常となる多数の突然変異体を単離した。この結果、エンドサイトーシスを制御する低分子量G蛋白質Rab5のエフェクター蛋白質として知られるRabenosyn-5を同定した。rabenosyn-5の突然変異クローンでは、oskar RNAの卵母細胞後極への局在化だけでなく、エンドサイトーシス経路にも異常が認められた。Rabenosyn-5変異クローンにおけるoskar RNAの局在異常は、微小管極性マーカーの挙動の解析から、細胞極性が正常に維持できなくなったことによる副次的な結果であることが考えられた。その一方で、Rabenosyn-5、およびエンドソームマーカー蛋白質(Rab5、Rab11、Rab7)がOskar蛋白質依存的に卵母細胞後極に局在化されることを見いだした。また、Oskar蛋白質を卵母細胞前方に発現させると、卵母細胞前方にエンドソームマーカー蛋白質が集積し、エンドサイトーシスが活発化することが観察された。以上の結果から、エンドサイトーシス経路が微小管極性制御だけではなく、Oskar蛋白質の下流で生殖質形成に関与している可能性が示唆された。
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