• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

進化過程で新奇形質が生じる基盤の解明:前口動物の付属肢形成の比較を通して

研究課題

研究課題/領域番号 17770202
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 発生生物学
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

丹羽 尚  独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, 研究員 (50373345)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワードゴカイ類 / カゲロウ類 / イシノミ類 / 付属肢 / 形態進化 / 新奇性 / wingless遺伝子 / ゴカイ / カゲロウ / イシノミ / Distal-less遺伝子 / Wingless遺伝子
研究概要

昨年度,ゴカイ類の付属肢形成時には,その背側基部にwingless(wg)遺伝子の発現が再配置されることを見出した.本年度は,このwgの再配置をより明確にするために,他のWnt遺伝子(WntA)およびWntシグナルの下流因子である701遺伝子を単離し,その発現パターンを解析した.結果,ゴカイ付属肢では,wgとWntAが相補的に発現しているなど,wgが再配置される背側基部は分子的にも異なる基盤をもつことが示唆された.
さらにこのwg発現の再配置が前口動物の中でもより高等な昆虫類においても生じるのかを明らかにするために,イシノミ類,カゲロウ類でISH法を確立し,それぞれの付属肢形成におけるwg発現を解析した.その結果,両者ともに,付属肢の背側基部(底節)に局所的なwg発現がみられたことから,体節ごとに発現するwgの付属肢背側基部への再配置は,前口動物の間で進化的に保存されている機構と考えられた.さらに,そのwg発現は,発生が進行するにつれ,イシノミ類のexite,およびカゲロウ類のtracheal gillといった,付属肢より生じる新奇形質の形成に関与することが明らかになった.加えて,ショウジョウバエのwgの直接飛翔筋のmyoblastに発現するapterous遺伝子が,ゴカイ類の付属肢では背側基部のwg発現領域に近接するmyoblastに特異的に発現する結果も得られた.以上の結果から,前口動物の付属肢進化では,付属肢の背側基部に再配置されるwgが新奇形質を創出する重要な分子基盤の一つであると考えられた.
本年度では,さらにこのwg活性を人為的に低下させる目的で,ゴカイ類におけるRNAi法の確立も開始した.まず対象としたD11遺伝子のRNAiでは,遺伝子発現部位において一時的な形態異常がみられた.現在,より効果を上げるためにさらなる改善を試みている.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

URL: 

公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi