研究課題/領域番号 |
17780001
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 亮 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (00372269)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イネ / アンモニウムイオン / アンモニムトランスポーター / 根 / 形質転換体 / アンモニウムトランスポーター / 窒素 / プロモーター |
研究概要 |
アンモニウムイオンは硝酸イオンと並んで、植物が外環境からの供給に依存している重要な無機窒素栄養素である。窒素イオンの細胞内への取り込み・細胞間への移動には、膜貫通型タンパク質である窒素トランスポーターの"能動的な輸送システム"が必要とされる。水田に代表される湛水土壌では、アンモニウムイオンは主たる窒素源として存在し、その取り込みにはアンモニウムトランスポーター(Ammonium Transporter : AMT)が機能する。イネのゲノムには3種類のOsAMT1遺伝子(OsAMT1;1-1;3)が存在している。OsAMT1;1は構成的な発現様式を示すのに対し、OsAMT1;2は根で特異的に発現しており、アンモニウムイオン存在下で顕著な発現促進が認められる。またOsAMT1;3も根で特異的な発現を示したが、窒素飢餓条件下で最も顕著な発現が認められる。 本研究では、OsAMTをイネの恒常的高発現させた形質転換イネを用いて根からアンモニウムイオンの取り込み量と根の形態的変化を調査した。その結果、OsAMT2遺伝子を過剰発現させた形質転換体では、植物体内へのアンモニウムイオンの取り込み量が約1.5から約4倍程度に増大していることが明らかとなった。これに対し、形質転換体の根は、伸長抑制が認められた。この結果から、過剰に取り込むアンモニムイオンに対して、取り込み器官である根のマスを小さくすることで植物体内のアンモニウムイオン量を調整する機構の存在が明らかとなった。すなわち、高等植物には取り込んだ窒素量に合わせて窒素の取り込み器官である根の形態形成を調節する"窒素センサー"の存在が浮き彫りとなった。また"窒素センサー"の分子実体を単離するため、モデル植物であるシロイヌナズナ変異体ラインを用いてスクリーニングを行った結果、候補となるラインが単離された。
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