研究課題/領域番号 |
17780044
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
土田 聡 農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹害虫研究チーム, 主任研究員 (50355450)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ワタアブラムシ / 殺虫剤低抗性 / 合成ピレスロイド剤 / ナトリウムチャネル / 作要点低抗性 / kdr / 適応度 / 殺虫剤抵抗性 / ナトリウムチャンネル / 作用点抵抗性 |
研究概要 |
ワタアブラムシでは合成ピレスロイド剤の標的部位であるナトリウムチャンネルの構造遺伝子上に突然変異が存在することが明らかとなっているが、室内飼育系統、野外個体群のいずれにおいても突然変異を含む対立遺伝子(super-kdr遺伝子)はヘテロ接合体でのみ検出されている。そこで抵抗性遺伝子の遺伝様式ならびに適応度形質との関係を明らかにするため、昨年度までの交雑試験で得られた遺伝子型の異なる系統を用い、危険の察知能力の指標として、合成警報フェロモン((E)-β-farnesene)に対する反応性を遺伝子型間で比較した。また、遺伝子型と合成ピレスロイド剤に対する抵抗性程度の関係も検証した。 その結果、合成警報フェロモンへの反応性は抵抗性ホモ(RR)クローンよりもむしろ、感受性ホモ(SS)クローンで低くなる傾向が見られ、危険の察知能力という点で適応度が劣ることはなかった。一方、フェンプロパトリンを用いて抵抗性ホモ個体の感受性ホモに対する抵抗性比をヘテロ接合型(RS)との間で比較した結果、ともに抵抗性比1,000倍以上となり、測定可能な範囲において同等であった。これまでに、標準的な条件(20℃、16L8D)および高温条件(30℃、16L8D)で飼育したとき、RSクローンの羽化率が最も高く、RRで最も低くなるという傾向が観察されている。その差は顕著ではないが、とりわけ殺虫剤による淘汰圧が低下した条件下では、長期的な対立遺伝子頻度の変動に影響を与え、野外個体群における著しい遺伝子型頻度の偏りを生じさせる可能性はあると考えられた。
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