研究課題/領域番号 |
17780091
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
作野 えみ 鳥取大学, 農学部, 助手 (50362900)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アフラトキシン / 生合成 / mycotoxin / 5'-oxoaverantin / inhibitor / cyclase / norsolorinic acid / vbs / 二次代謝産物 / カビ毒 |
研究概要 |
アフラトキシンは、一部のカビが生産する毒性二次代謝産物である。現在、農作物のアフラトキシン汚染は世界的に深刻な問題となっている。アフラトキシン生合成経路初期に5'-hydroxyaverantin(HAVN)からaverufin(AVR)への反応がある。これまでに、この反応には新たな中間体5'-oxoaverantin(OAVN)が存在し、酵素が2種類関わる2段階の反応であることを見出した。さらにこの2つ目の反応に関わる酵素は、生合成経路のより後方の反応に関わる酵素VHOH cyclaseと同一であるという知見を得た。カビの二次代謝において一種類の酵素が基質の異なる二つの反応を触媒するという報告はほとんどなくこの酵素に興味が持たれた。そこで、これを確認するために、遺伝子破壊実験、酵母を用いた発現実験を行った。VHOH cyclaseをコードする遺伝子はvbsとしてすでに報告されている。そこで、アフラトキシン生産菌であるAspergillus parasiticus SYS-4を用いて、このvbs遺伝子の破壊実験を行ったところアフラトキシンB1の生成を完全に抑えることはできなかった。しかし、VHOH cyclaseの基質であるVHOHと初期の生合成中間体であるOAVNが蓄積されていることを確認した。また、vbsによってコードされるcyclaseをPichiaを用いて発現させ、この発現した酵素がVHOHからVBへの変換とOAVNからAVRへの変換の両方を触媒することを確認した。この研究によりアフラトキシン生合成において、vbs遺伝子によってコードされる一つのcyclaseが2つの別のステップを触媒することを明らかにした。また、アフラトキシン生合成経路上最初の安定な色素中間体であるnorsolorinic acid(NA)の生合成を阻害する物質をカビ二次代謝産物中に求めた。これまでに、5種類の化合物を単離構造決定した。これらの阻害剤を投与するとほとんどの場合コウジ酸が蓄積された。今後、NAより前の中間体の単離を目指し、阻害剤投与によって蓄積される化合物の解析を行う。
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