研究課題/領域番号 |
17780095
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
野村 崇人 独立行政法人理化学研究所, 促進制御研究チーム, 研究員 (60373346)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ブラシノステロイド / ブラシノライド / 植物ホルモン / 栄養生長 / 生殖生長 / シトクロムP450 / トマト / エンドウ / プラシノライド / 果実 |
研究概要 |
ブラシノステロイドは植物必須のステロイド性生長促進ホルモンである。研究代表者らは、最も活性の強いブラシノステロイドであるブラシノライドの生合成の最終段階を触媒するシトクロムP450酵素の発見に成功した。その研究によって、トマトではブラシノライド合成酵素(CYP85A3)は生殖生長期に、その前駆体であるカスタステロンの合成酵素(CYP85A1)は栄養生長期に働いていると推測された。そこで、ブラシノライドの植物生長における役割について分子生物学的手法を駆使して明らかにすること目的として研究を行った。 1、35S恒常的発現プロモーターによりCYP85A3遺伝子を過剰発現させたトマトの形質転換体を作出した。その結果、CYP85A3過剰発現により茎葉の生長が促進されたことから、ブラシノライド合成酵素は生殖生長期だけでなく栄養生長期においても機能することが明らかとなった。 2、エンドウより単離した二つのカスタステロン合成酵素遺伝子(CYP85A1、CYP85A6)のうち、CYP85A6遺伝子に変異をもつ媛性変異体1keを発見した。その矮性は弱いことからCYP85A1酵素と栄養生長期における役割が重複していると考えられた。 3、トマトのCYP85A1とCYP85A3のアミノ酸配列は高い相同性をもつ。ブラシノライド合成の最終反応であるバイヤー・ビリガー反応に必要な配列を同定するため、CYP85A1/CYP85A3キメラタンパク質を酵母で発現させて酵素活性を調べた結果、その反応に必要なアミノ酸を数ヶ所に絞り込むことに成功した。 本研究により、P450酵素CYP85Aファミリーは植物種において独立的に重複し、そして進化してきたことが示された。植物の多様性を理解する上で、CYP85A酵素の多様性を明らかにすることは重要であると考えられる。
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