研究課題/領域番号 |
17780106
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石川 洋哉 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (00325490)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | シクロデキストリン / 分子包接 / 環状四糖 / 香気成分 / カプセル化 / マイクロカプセル |
研究概要 |
本研究では、加工、貯蔵過程における機能性香気成分の安定且つ効率的なデリバリーシステムの構築を目的して、新規化合物である環状四糖による分子包接を試み、その包接挙動に関する基礎的知見の獲得を試みた。モデル化合物として、Vanillin、 Cinnamaldehyde、 Eugenol、 Raspberry ketoneを選択し、環状四糖は林原生物化学研究所より提供頂いたものを用いた。包接挙動の検討は、蛍光スペクトル測定(励起波長360nm、蛍光波長400-450nm)により行った。スペクトル測定の結果、市販のCDを用いた場合と同様に環状四糖添加による蛍光強度の増加し、環状四糖への香気成分の包接が確認された。また得られたデータをもとにBenesi-Hildebrand plot (BH pIot)による結合定数の算出を試みた結果、Vanillin, Cinnamaldehyde, Eugenolでは[四糖]:[Guest]=1:1の包接体しか形成しないのに対して、Raspberry ketoneでは[四糖]:[Guest]=1:1、高度域では[四糖]:[Guest]=2:1包接体が形成されることを明らかにした。Vanillinに関しては、環状四糖包接による酸化抑制効果が得られたことから、環状四糖によりVanillinの機能性が保持されることが示唆された。さらに化学計算により得られた各香気成分のlog P値(Cinnamaldehyde1.99、Raspberry ketone2.34、Eugenol2.55)に対してK値(Cinnamaldehyde4.1×10^1、Raspberry ketone3.8×10^2、Eugenol6.3×10^2)をプロットした結果、両者の間に良好な性の相関(r=0.998)が認められたことから、本実験に用いた芳香族香気成分に関してはゲスト分子の疎水性を評価することにより環状四糖による包接性の評価が可能であることを明らかにした。
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