研究課題/領域番号 |
17780107
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山崎 正夫 宮崎大, 農学部, 助手 (80381060)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 共役リノール酸 / リソソーム / アポトーシス / 小胞体 / 肝臓 / ミトコンドリア / 血管新生 / マウス |
研究概要 |
共役リノール酸(CLA)の肝がん細胞致死機構について、ヒトおよびラット肝がん細胞を用いて検討を行った。CLAの異性体5種類の細胞腫誘導活性を比較したところ、10トランス、12シス型が最も活性が強かった。10トランス、12シスCLAの作用を詳細に検討したところ、本異性体による細胞死の誘導にはミトコンドリアを介したアポトーシスが関与し、この経路の増幅経路としてリソソーム崩壊現象が起こる事を明らかとした。また、この細胞死はシス型モノ不飽和脂肪酸により緩和され、飽和モノ不飽和脂肪酸代謝が細胞の生死の決定において極めて重要な役割を果たす事も明らかとした。そして、このことから10トランス、12シスCLAの作用機構の1つに飽和脂肪酸のデルタ9不飽和化阻害が関与する事が示唆された。ヒト肝ガン細胞を用いた実験において、10トランス、12シスCLAは試験に用いたすべての細胞株に細胞致死活性を示した。その中でも、PLC/PRF5株において最も強い細胞特性を示した。ヒトの細胞に対しても、10トランス、12シスCLAはミトコンドリアを介したアポトーシスによる細胞死を誘導する事が示され、GADD153タンパクの強い発現誘導が認められた。このことから、10トランス、12シスCLAにより小胞体ストレスが誘導されている可能性が推察されたが、小胞体ストレスマーカーであるGRP78の顕著な誘導は確認できなかった。現在、10トランス、12シスCLAの細胞死誘導シグナルの上流を検索している。
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