研究課題/領域番号 |
17780110
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 名古屋大学 (2007) 京都大学 (2006) 同志社大学 (2005) |
研究代表者 |
上野 有紀 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 研究員 (20388060)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 糖尿病 / 酸化ストレス / アディポネクチン / 6-gingerol / 脂肪細胞 / 抗酸化食品因子 / クルクミノイド |
研究概要 |
脂肪細胞における酸化ストレスの亢進は、アディポサイトカインの分泌異常を引き起こすことにより、糖尿病発症において重要な役割を担うことが報告されている。酸化ストレスによるアディポネクチンの分泌低下を改善することが、糖尿病の発症および進展予防につながる可能性があると考えられる。そこで、本年度は、パーム油や米ぬか等に含まれているトコトリエノールに着目し、脂肪細胞機能への影響を検討した。トコトリエノールは、トコフェロールよりも強力な抗酸化作用を有することが知られている。まず、酸化ストレス条件下でのアディポネクチン分泌に対するα-トコトリエノールの作用を検討した。脂肪細胞において、過酸化水素による酸化ストレスがアディポネクチンの分泌を低下させるのに対して、α-トコトリエノールは有意に改善した。α-トコトリエノールは、インスリン抵抗性惹起分子であるTNF-αによるアディポネクチン分泌低下を抑制した。また、TNF-αは脂肪細胞においてカルボニル化タンパク質の生成を増加させ、α-トコトリエノールによってその生成量が減少した。このことから、TNF-αは脂肪細胞内での活性酸素種の産生を増加させ、α-トコトリエノールにはそれを抑制する作用を有することを明らかにできた。 これらの結果から、α-トコトリエノールは抗酸化性によって、酸化ストレスによるアディポネクチンの分泌低下に対する抑制作用を示し、糖尿病の発症および進展予防の一助となる可能性が示唆された。
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