研究課題/領域番号 |
17780124
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小山 里奈 京都大学, 情報学研究科, 助手 (50378832)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 植物の窒素利用 / 硝酸態窒素 / 窒素循環 / 森林植物 / 窒素利用 |
研究概要 |
植物は主要な窒素源として土壌中のアンモニア態窒素・硝酸態窒素を吸収し利用している。このうち硝酸態窒素には土壌に吸着されず流亡しやすいという性質がある。また、植物の種によって硝酸態窒素を利用する能力は著しく異なる。そのため、生態系を構成する植物の硝酸態窒素利用に関する特性は系内の窒素循環、ひいては森林の持つ外部に対する緩衝機能においても重要である。本研究では、2つの系を対象として系を構成する植物の窒素利用に関する調査を行った。 まず、米国アラスカ州のトウヒ林では、森林火災が問題となっており、.火災跡地に侵入する植物と火災被害を受けていない森林に生育する植物を対象として窒素利用を調査した。その結果、火災跡地に優占する植物の種間でも硝酸態窒素を利用する能力の差は非常に大きいことが明らかになった。また、火災は土壌中の硝酸態窒素の比率を高めることが予測されていたが、種内で比較すると火災の有無は植物の硝酸態窒素利用に影響していない可能性が示された。 次に、植生の侵入が問題となっている砂丘地において植物による砂中の窒素利用について調査を行い、窒素固定植物と非窒素固定植物の比較を行った。これまでの調査の結果から、砂丘植物のうち数種は砂中の硝酸態窒素を窒素源の一つとして利用していることが明らかにされている。しかし、本来砂丘の砂にはほとんど窒素は存在せず、窒素固定植物が砂への窒素供給源となっている可能性がある。そのため、窒素固定種2種・非窒素固定種1種の木本植物を対象として、植物の窒素利用と生育場所の土壌窒素養分条件を調査した。その結果、3種は全て砂中の硝酸態窒素を窒素源として利用していることが明らかとなった。植物体内の総窒素濃度は窒素固定植物で高かったのに対し、砂中の総窒素現存量は非窒素固定植物の生育場所で高く、非窒素固定種が窒素固定種と同様に砂の窒素養分条件に影響を与える可能性が示された。
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