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福岡都市圏近郊森林域における窒素循環-乾性沈着を含めた全沈着量による物質収支-

研究課題

研究課題/領域番号 17780125
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 林学・森林工学
研究機関九州大学

研究代表者

智和 正明  九州大学, 農学研究院, 助手 (30380554)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード窒素循環 / 乾性沈着 / 都市圏 / 樹冠吸収 / 森林
研究概要

福岡都市圏近郊に位置する福岡演習林御手洗水試験流域(ヒノキ人工林)において大気からの窒素化合物の沈着量や渓流からの流出量を計測した.平成18年度は,大気中の窒素化合物(NO_2,HNO_3,HNO_2,NH_3,NO_<3->,NH_<4+>)の測定を行い,森林への乾性沈着物の寄与について検討するとともに,林外雨,林内雨,樹幹流,渓流水中に含まれる無機態窒素濃度(硝酸態+アンモニア態)の測定を継続調査した.
大気中NO_2,HNO_3,HNO_2,NH_3,NO_<3->,NH_<4+>の年間平均濃度は,それぞれ16.4,2.0,0.6,0.9,2.7μgm^<-3>であり,国内外の都市近郊域において報告されている値とほぼ同程度であった.このことから,乾性沈着による寄与が都市近郊林である本試験流域において無視できないことが分かった.林外雨による無機態窒素沈着量は,約12kgNha^<-1>yr^<-1>と見積もられ,林内雨+樹幹流による無機態窒素沈着量(約13kgNha^<-1>yr^<-1>)とほぼ同程度であった.このことは,乾性沈着量が少ないのではなく,窒素化合物が乾性沈着した後,枝葉面が雨水に濡れる際に,全沈着量(湿性+乾性)の一部分が枝葉によって吸収されているためと考えられた.林外雨,林内雨+樹幹流ともに無機態窒素沈着量は渓流からの窒素流出を引き起こすとされる年間沈着量の10kgNha^<-1>yr^<-1>を超えており,高い値を示した.渓流水中の無機態窒素の平均濃度は,64μmolL^<-1>であり,国内外の山地小流域における観測値と比較して高い値を示した.この原因の一つとして,大気からの無機態窒素沈着量が多いことが挙げられた.また,無機態窒素流出量は,約11kgNha^<->yr^<-1>と見積もられ,林内雨や樹幹流として供給される無機態窒素が土壌中においてはほとんど保持されていない可能性が考えられた.
以上のことから,都市圏近郊に位置する本試験流域は,都市域から排出される汚染物質の影響を受けて窒素沈着量が増加しており,さらに本試験流域が土壌中における窒素保持能が低いために渓流水中の無機態窒素濃度が高いことが分かった.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 北海道演習林及び福岡演習林における降水,渓流水中の化学成分の特徴2007

    • 著者名/発表者名
      智和正明, 井手淳一郎, 扇大輔, 田代直明, 古賀信也, 柴田英明, 佐藤冬樹, 大槻恭一
    • 雑誌名

      九州大学農学部演習林報告 88

      ページ: 33-43

    • NAID

      220000143349

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 森林水文学~森林の水のゆくえを科学する~2007

    • 著者名/発表者名
      森林水文学編集委員会(編)
    • 総ページ数
      337
    • 出版者
      森北出版
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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