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樹木による森林構造の形成とその種多様性維持における役割

研究課題

研究課題/領域番号 17780128
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 林学・森林工学
研究機関九州大学 (2006-2007)
琉球大学 (2005)

研究代表者

榎木 勉  九州大学, 大学院・農学研究所, 准教授 (10305188)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード森林構造 / 地形 / 樹冠 / 樹幹 / 開空度 / ツル植物 / リターフオール / 物質循環 / リターフォール / 物質動態
研究概要

沖縄島北部の亜熱帯常緑広葉樹林において、樹木の形態的特徴の種による違いや種内での可塑性が森林構造の多様性を形成すること、またそれらが樹木にとっての環境の不均一性を創出し、樹木の形態的特徴が変化することを、様々なスケールで示した。景観スケールでは、地形に応じた樹幹形の変化が種により異なることで優占種が入れ替わることを示した。同じ立地環境においても、個体密度や光環境に応じて樹冠形が変化することも示した。この変化のパターンは種や個体サイズにより異なっており、森林構造の不均一性の形成がさらなる不均一性に繋がるというメカニズムが示唆される。個葉レベルにおいても形態の可塑性は種により異なった。地形により樹幹形を大きく変化させるイジュやフカノキは葉のサイズ、形状の変化が大きいが樹幹形の変化が小さいイタジイやイスノキの葉の形態の変化は小さかった。
この亜熱帯常緑広葉樹林においては立木だけでなく、ツル植物の森林構造形成への寄与が大きいことを示した。立木を対象にした毎木調査では測定されないツル植物は、特に斜面の下部や谷部で、林冠の主要な構成者となっていることが明らかとなった。ツル植物が有する物質生産機能、リターフォール生産能は非常に大きく、イルカンダ(マメ科)は谷部においては、森林全体では60%以上の優占度を持つイタジイよりものリターフォール生産力が大きいことが示された。さらにイルカンダはリター中の窒素含有量も多種と比べて2倍程度と多く、地上部構造から林床に供給される窒素量への寄与が非常に大きいことが示された。森林構造の不均一性は物質循環という観点からも生態系の不均一性を創出することで生物多様性の維持に寄与している可能性が示された.

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Contributioon of liana species, Mucuna macrocarpa Wall., to litterfall production and nitrogen input in a subtropical evergreen broad-leaved forest2008

    • 著者名/発表者名
      Kusumoto, B・Enoki, T
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research 13

      ページ: 35-42

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 亜熱帯常緑広葉樹林におけるリターフォールの季節変化-地形による違い-2008

    • 著者名/発表者名
      楠本聞太郎・榎木 勉
    • 雑誌名

      九州森林研究 61(印刷中)

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 亜熱帯常緑広葉樹林の樹木における異なる空間スケールでの解析から検出される地形依存的分布パターンの変化2007

    • 著者名/発表者名
      榎木 勉
    • 雑誌名

      日本森林学会誌 89

      ページ: 329-335

    • NAID

      110006882893

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 一流域におけるツル植物の分布と森林構造との関係2008

    • 著者名/発表者名
      楠本聞太郎・榎木 勉・渡邊康志・久保田康裕
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-03-15
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 亜熱帯常緑広葉樹林におけるリターフォールの季節変化-地形による違い-2007

    • 著者名/発表者名
      楠本聞太郎・榎木 勉
    • 学会等名
      日本林学会九州支部大会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2007-11-10
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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