研究概要 |
(目的) 平成17年度に試作した測定系によって高温高圧条件における乾燥中の曲げの力を追跡することが可能となった。その結果,高温高圧条件での木材の軟化によって乾燥応力が減少したことから,乾燥過程で高温高圧水蒸気を用いることによって乾燥による曲がりを抑制するための圧締力を大幅に低減することが出来ると考えられた。 こうして得られた乾燥応力に基づき,本年度は乾燥による曲がり抑制するために必要な積載荷重を見積もる。すなわち,生材に荷重を積載し,所定の温度,圧力条件において試験体が平衡状態になるまで乾燥する。そして,試験体を装置から取り出し,曲がりを測定する。積載荷重を重くして行き,曲がりが生じなくなる値を求める。このときの積載荷重と設定温度,圧力の関係を検討する。 (方法) シトカスプルース飽水材に荷重を積載し,温度115℃,常圧および1.25気圧(相対湿度75%)において試験体が平衡状態になるまで乾燥した。そして,試験体を装置から取り出し,矢高を測定した。 (結果) 矢高は設定圧力によらず積載荷重の増加に伴い減少した。1.25気圧の場合,常圧よりも小さい積載荷重で矢高がほぼ0になった。従って高温高圧水蒸気を用いることでより少ない荷重で乾燥による狂いを抑制できると推定された。
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