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漁獲圧に起因する漁獲対象動物の急速な進化〜ホッカイエビの遺伝形質変異を例として〜

研究課題

研究課題/領域番号 17780157
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関東京農業大学

研究代表者

千葉 晋  東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (00385501)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワード漁獲 / 急速な進化 / 局所適応 / 生活史変異 / 性転換 / 甲殻類
研究概要

本研究の目的は、大型個体(メス)だけが漁獲されている雄性先熟(オスからメスへ性転換)の雌雄同体甲殻類ホッカイエビをモデルケースとし、漁獲対象動物の生活史形質における漁獲の影響を明らかにすることである。H18年度は、昨年度の結果から、比較対象として適切だと考えられたS湖、N湖、F沿岸の3地域で野外調査と飼育実験を行った。野外調査では、漁獲圧の低いF沿岸個体群の個体の方が、漁獲圧の高い他の2個体群よりも体長が有意に大きかった。なお、これらの個体群間で、物理生物環境には顕著な差は見られなかった。したがって、この結果は、昨年も観察された同様の結果が、年変動によって偶発的に検出された差ではないことを示唆している。飼育実験では、昨年度から継続飼育していた上記3個体群の個体(1才)の成長を比較した。昨年の0才の結果と同様に、F沿岸個体群が、他の2個体群よりも大きく成長していた。なお、S湖とN湖個体群の間には有意な差は検出されなかった。しかし、本年度は成長速度自体には有意な差は検出されなかったことから、個体群間での成長差は、初期成長速度の差に起因している可能性が推察された。そこで、F沿岸とN湖の個体群を対象として、室内でふ化させた幼生を用い、餌環境の異なる2つの条件下において、初期成長速度を個体群間で比較した。その結果、餌条件が悪い実験区では、漁獲圧の低いF沿岸個体群よりも、漁獲圧の高いN湖個体群の成長速度が有意に遅かった。ただし、餌条件が良い実験区では、成長速度に個体群間差は検出されなかった。その他の関連結果を含めて総合的に判断したところ、幼生の質に対する母親効果が示唆された。要約すれば、悪い条件下ほど母親に起因した幼生の形質差が明確になりやすいと考えられた。本研究の結果から、漁獲圧に起因した成長等の遺伝形質変異が強く示唆された。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Life history evolution in the exploited protandrous shrimp Pandalus latirostris.2007

    • 著者名/発表者名
      Chiba, S
    • 雑誌名

      Plankton and Benthos Research (印刷中)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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