配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
今年度はまず, Alexandrium tamarenseの低温適応機構の解析を行うために,他生物で低温適応機構に関与することが知られる脱共役タンパク質のcDNAクローニングを行い,4および20℃で培養したA. tamarense におけるmRNA蓄積量を調べた.その結果, 20℃のものと比較して4℃でmRNA量が増大することが示され,本生物種でも低温適応に脱共役タンパク質が重要である可能性が示唆された.次に,A. tamarenseの塩濃度適応機構を調べるために,19および38psuの塩濃度の海水で培養した細胞を用い,魚類などの塩分応答に関与するNa^+,K^+-ATPase活性を測定して比較した結果, 38psu海水で培養したものでより活性が高かったことから, A tamarenseの高塩分濃度適応にNa^+,K^+-ArPaseが関与することが示唆された.さらにAlexandriumの光応答機構を調べるために,岩手県大船渡湾において表層付近に出現するA.catenellaおよび水深10m付近に出現するA.tamarenseを用いて強光への耐性を調べた. 900μmol/m^2/secの光強度の光を5時間照射した結果, A. tamarenseでは生細胞がほとんど存在しなかったのに対し, A. catenellaではほとんどの細胞が生存したことから, A. catenellaがより強い光耐性を有することが示された.最後に,A,tamarenseの光応答にも光受容体が重要であると考え, A. tamarenseからオプシン遺伝子を単離して他生物のものと比較した結果,バクテリオオプシンと類似することが明らかとなった.また, mRNA量の日周変動を調べた結果, A. tamarenseオプシンのmRNA量は明期に増大し,暗期には減少することが示されたことから,本種の走光性を含む光応答にオプシンが関与することが示唆された.
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