研究課題/領域番号 |
17780169
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
朴 紅 北海道大学, 大学農学研究科, 准教授 (80312396)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 残留農薬問題 / 日本向け輸出野菜基地 / 食品加工企業 / トレサビリティー / 直営・契約基地 / 日本向けの野菜輸出産地 / 中国山東省の青島・煙台地区 / 冷凍野菜の輸出戦略 / 残留農薬事件 / 原料調達体制 / 原料集荷構造 / 農場依存型集荷方式 / 村民委員会依存型集荷方式 / 冷凍野菜貿易構造 / 野菜品質管理コスト / 原料集荷体制の再編 |
研究概要 |
平成20年2月には「毒ギョウザ」などの問題が発生し、本研究の意義が社会的にクローズアップされることとなった。中国における日本向け輸出野菜基地は、従来の家族請負地における制裁生産から、行政当局による強い指導の下で食品加工企業が直接的に生産過程を掌握しうる直営農場制ならびに契約農場制に移行しつつあり、今年度の補足的調査においてもそれは確認された。 その意味では、日本向け輸出を許可されている食品加工企業においては、2002年に発生した残留農薬問題への対応は徹底されており、基本的に問題はクリアーされたと言うことができる。しかし、そうした安全性に関わるコストは増大しており、加工企業としては大きな問題となっている。この点は、日本国内でのトレサビリティー導入コスト問題と同様の問題となっている。もうひとつ確認されたことは、1990年を起点とする日本向け野菜生産基地が、野菜の連作問題や都市近郊であることによる工業団地化により縮小し、都市郊外やさらには省を越えた地域に移転する傾向が現れたことである。工場近接の旧産地においてはネットハウスなどの導入により減農薬葉物産地へと転換するケースが一般的である。遠隔地産地においては、直営・契約基地の規模は従来の基地より大規模となっており、よりインテグレートされた農場となっている。さらに、省を越えた基地においては旧牧草地を利用した粗放的な生産が行われるケースもあり、露地型の委託生産を行う新たな形態が出現している。このように、野菜生産は産地移動を伴いながら品目別に農場規模や委託方式を異にしつつ、トータルな原料供給を行う分業的な体制に移行しつつある。その意味では、日本での産地移動論的視角からの研究の必要性が明らかとなった。
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