研究課題/領域番号 |
17780202
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
林 利哉 名城大学, 農学部, 准教授 (10304768)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 食肉 / レトルト / 機能性 / ACE阻害活性 / DPPIV阻害活性 / 骨芽細胞 / タンパク質分解 / 加熱ゲル / 筋原線維タンパク質 / 食感 |
研究概要 |
レトルト処理を施した食肉製品の高付加価値化を図るため、レトルト処理による食肉の食感低下の要因解明と機能性強化の可能性について引き続き検討してきた。食肉の主要構成タンパク質である天然アクトミオシンをモデル系として用いたレトルト処理食肉のテクスチャー低下機構の解明に関する研究において、レトルト処理を施した天然アクトミオシンゲルの著しい物性(破断強度)低下は、加熱温度依存的に増加する特異な凝集構造体に起因することが、ゲルの走査型電子顕微観察によって明らかとなり、そのことはゲル微細構造の画像解析結果からも支持された。さらに、示差走査熱量分析装置(DSC)を用いた熱力学的解析から、天然アクトミオシンの本体であるミオシンの加熱変性挙動の変化がaggregatedタイプのゲル形成を惹起する一要因であることが示唆された。 次に、レトルト処理を施した食肉における機能性発現の有無に関する検討において、レトルト加熱による著しいタンパク質分解に伴って、血圧上昇抑制の指標であるアンジオテンシンI変換酵素、並びに抗血糖上昇の指標となるジペプチジル・ペプチダーゼIVに対する阻害活性が顕著に上昇し、さらに、抗酸化性も高まることが示唆された。また、骨芽細胞の分化に及ぼす影響についても検討を加えたところ、培養骨芽細胞の生化学的分化指標であるアルカリフォスファターゼ活性やコラーゲン生成能を対照区(75℃加熱区)と比較して有意に高めることが明らかとなった。これらのことより、レトルト処理は食肉の機能性強化に大いに寄与する可能性が強く示唆された。
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