研究課題
若手研究(B)
本研究では、当研究グループが発見したGタンパク共役型のオーファン受容体に対する新規生理活性ペプチド、ニューロメジンS(NMS)(EMBO J,2004)の生理作用を明らかにすることを目的とした。NMSの生理作用は全く未知であったため、まずその遺伝子配列,ペプチド構造などを解析した結果、近年、重要な生理作用が明らかになりつつあるペプチド、ニューロメジンU(NMU)と一部アミノ酸配列が重複していること、また、NMUが作用する2つの受容体に同じように作用することがわかった。NMUは摂食抑制作用を有することから、 NMSの摂食行動に対する作用をラットにおいて検討したところ、強力な摂食抑制作用を示し、その効果はNMUよりも強力であった。作用機序においても、NMIJがCRH系しか利用しないことに対し、NMSはCRH系に加え、POMC系も利用するなど異なる経路を有している可能性が示された(Endocrinology,2005)。この結果より、今回新たに発見された新規生理活性ペプチド、NMSは、近年、その生理機序の解明が重要視されている摂食調節機構の研究に置いて、新たなツールとなりうることが示された。現在、NMSの特異抗体を用いた実験、さらに、NMSノックアウトマウスの作出にも成功し、内在性のNMSが生体にどのような影響を与えているのかを解析中である。また、同族のペプチドと考えられるNMUには摂食行動以外に、概日リズムの調節、免疫機構への関与などの生理作用が明らかになりつつあるので、NMSのそれら生理作用への関与、また、NMSとNMUの関連などを明らかにしていく予定である。
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