研究課題/領域番号 |
17780252
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神戸 大朋 京大, 生命科学研究科, 助手 (90303875)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 亜鉛 / 分泌経路 / 亜鉛輸送体 / 複合体 / アルカリフォスファターゼ |
研究概要 |
ゴルジ体内腔に輸送された亜鉛の生理機能を明らかにするため、ニワトリBリンパ球細胞株DT40を用いて、ゴルジ体特異的に発現する亜鉛輸送体ZnT5、ZnT6、ZnT7をそれぞれ欠失させた細胞株を樹立した。ICP-MSを用いて細胞内全亜鉛量を定量した結果、これら欠損株と野生株の全亜鉛含量の間には、有為な差異は認められなかったが、それぞれの欠損株において分泌型亜鉛含有酵素アルカリフォスファターゼ(ALP)の活性が有為に減少していた(30〜70%減少)。これらの結果から、ZnT5〜7はゴルジ体内腔に亜鉛を輸送する輸送体であることが確認できた。続いて、ZnT5、ZnT6、ZnT7の二重、あるいは、三重欠損株を作成したところ、ZnT5/ZnT7、ZnT6/ZnT7二重欠損株、ZnT5/ZnT6/ZnT7三重欠損株のALP活性はほぼ完全に消失したが、ZnT5/ZnT67二重欠損株のALP活性は、ZnT5、ZnT6単独欠損株のそれと同程度の値を保っていた。この結果から、ゴルジ体内腔への亜鉛輸送には、ZnT5とZnT6は同じ経路で、ZnT7はこれら二者とは異なる経路で機能することを明らかにした。さらに、免疫沈降実験により、ZnT5とZnT6はヘテロ複合体を形成し、ZnT7はホモ複合体を形成することを証明し、両複合体がゴルジ体内腔への亜鉛輸送に必須の機能を持つことを明示した。両複合体を欠失させた株の表現型を詳細に解析したところ、小胞体ストレスに対する感受性が増大していた。そのため、両複合体がゴルジ体内腔に輸送した亜鉛は、分泌輸送経路の恒常性の維持に重要な機能を持つことが予想された。
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