研究課題/領域番号 |
17790064
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
細井 徹 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (40379889)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ゲルダナマイシン / 小胞体ストレス / AKT / PI3K / グリア / アポトーシス / Akt / CHOP / 神経変性疾患 / II型糖尿病 |
研究概要 |
近年、神経変性疾患やII型糖尿病等の病態の形成に小胞体ストレスが関与していることが明らかにされ注目を浴びている。小胞体の機能が障害されると小胞体内に不良品タンパク質が蓄積して小胞体ストレス状態に陥る。 本研究では、小胞体ストレス状態時におけるPI3K-Akt経路の役割について検討した。グリア細胞などにおいてAktが、短時間の小胞体ストレスでは活性化されるが、ストレスが長時間におよぶとむしろその活性化が抑制されることを見いだした。小胞体ストレスによるAktの活性化においてはPI3Kを介していることが示唆された。さらに、PI3Kの阻害によって、小胞体関連転写因子でありアポトーシスに関与しているCHOPの誘導が認められ、細胞死が観察されたことから、PI3KがCHOPの誘導に重要な役割を担っていることが明らかになった。また、HSP90の阻害薬として知られているゲルダナマイシンがCHOP誘導を起こすことが明らかになった。さらに、セリンプロテアーゼの阻害薬である4-(2-aminoethyl)-benzenesulfonyl fluoride(AEBSF)処理により、PI3K阻害薬によるCHOP誘導が抑制されることが明らかになった。従って、PI3K-Akt-CHOPの誘導経路には、HSP90やセリンプロテアーゼが関わっていることも明らかになった。小胞体ストレス状態において、PI3K-Akt経路は細胞の生死を決定付けるセンサー的な機能を発揮しており、巧妙に制御されていることが示唆された。
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