研究課題/領域番号 |
17790076
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
枝川 義邦 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (50303607)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 神経機能の可塑性 / ニューロン・シナプス機能 / シナプス形成 / 自己組織化単分子膜 / 表面修飾 |
研究概要 |
生体内で観察対象とする神経細胞には、周囲から入力が数多くあり、それら数多ある情報の中より目的とするシナプス情報を抽出するためには、単に伝達情報の強弱を調節するのみではなく、タイミングの違いに根ざした時間軸に沿った調節機構が有用である。 このような現象を精緻に解析するために、空間的にも時間的にも任意にデザインを制御可能な神経回路の形成を行い、目的とするシナプスでの伝達調節の機序の解明を目指した。本年度は特に任意のデザインをもつ人工的な神経回路の形成を目的とした突起伸長の制御法の開発を行った。 光分解性の保護基をもつアルキルシロキサン化合物により自己組織化単分子膜を形成させ、その表面にPEGとPPOからなるブロック共重合体を吸着させることにより、接着面と非接着面を光照射依存的に描画可能な細胞培養基板を作製し、任意のデザイン・タイミングでの細胞接着と突起伸長の制御システムとして使用した。 NGF暴露依存的に突起伸長を行うPC12細胞を用いて、アレイ状にパターン化された細胞接着と、時間を隔てての突起伸長の誘導が可能であることを確認した。PC12を用いることにより、接着後NGFを添加するまでは突起を持たない状態での保持を行い、添加するタイミングを選ぶことにより伸長開始タイミングを制御することが可能となった。細胞体から伸展する突起数は、細胞体接着後に、光照射により突起伸長に特化して作製した接着部位数に依存しており、当該システムにおいて数と伸長開始方向の任意性を確認した。 また、伸長過程にある突起の方向を変えることによる突起の屈曲や分岐部の形成も実現し、さらに、基板表面に塗布する細胞接着分子を選ぶことにより、突起の伸長スピードに変化が現れることも観察した。このことは、突起伸長の時間制御を光照射のタイミングの選沢と伸長過程にある突起の伸長スピードの調節との両面からの制御が可能であることを示唆する。
|