研究課題/領域番号 |
17790085
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
研究代表者 |
川端 健二 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部, 主任研究員 (50356234)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 再生医学 / 遣伝子 / 免疫学 / 薬学 / 発生・分化 / 遺伝子 |
研究概要 |
造血幹細胞の骨髄への生着および骨髄からの動員にはSDF-1(stromal cell-derived factor-1)/CXCL12等種々のサイトカインやケモカインが関わっていると考えられているが、そのメカニズムは明らかではない。そこで本研究では、多くの細胞に対し高効率に遺伝子導入可能であることが知られているアデノウイルス(Ad)ベクターを用いて、SDF-1をマウスにin vivoで発現させた後の血液前駆細胞やリンパ球の動態を詳細に解析した。Adベクターとして、従来のCMVプロモーターに比べ数倍から十数倍の活性を有し、CAGプロモーターと同等以上の活性を有するイントロンAを付与したCMVプロモーターを用い、その下流にSDF-1遺伝子を挿入したものを用いた。SDF-1発現Adベクターをマウスの尾静脈内に投与し、5日後、各組織における細胞数を測定したところ、ベクターを投与したマウスでは骨髄細胞数が有意に減少すると共に、末梢血有核細胞数および脾細胞数が有意に増加していた。また、末梢血および脾臓において、CFU-GEMMを含む各コロニー数の顕著な増加が見られ、造血幹細胞を含む血液前駆細胞が骨髄から動員されていることが示された。さらに、フローサイトメーターおよび蛍光顕微鏡による解析により、本来骨髄に生着しているB前駆細胞が脾臓の白脾髄に存在していることが明らかとなった。B前駆細胞が脾臓に生着していたため抗体産生について検討したところ、SDF-1発現Adベクターを投与したマウスでは有意な抗体産生量の低下がみとめられた。以上より、SDF-1は造血幹細胞を含む血液前駆細胞やB細胞等種々の血液細胞の動態を規定する因子であることが示された。
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