研究課題/領域番号 |
17790101
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脳・神経 / 環境 / 遺伝子 / 神経科学 / 内分泌撹乱化学物質 / リン酸化型CaMKII / mitochondrial HSP70 / 行動学 / 受動的回避反応 |
研究概要 |
今年度は、まずDES暴露による脳撹乱作用の作用発現機構にエストロゲン受容体(ER)のβサブユニットが関与するのか否かについて、ERβKO, Wild type(WT)マウスを用いて神経科学的に検討した。その結果、DESを暴露したWTは、Corn oilを暴露したWTに比べ、脳海馬のリン酸化型CaMKIIβ(pCaMKIIβ)のレベルが増加する傾向を示した。一方、DESを暴露したERβKOのpCaMKIIβレベルもCorn oilを暴露したERβKOに比べ有意に増加し、昨年度のERαKOの結果とは異なっていた。これらのことより、DES暴露による脳撹乱作用の作用発現機構にはERのβサブユニットではなく、αサブユニットが関与している可能性が示唆された。また、OH-PCB暴露マウスについては、行動異常が生じる生後30日齢のマウスの脳においてERや甲状腺ホルモン受容体(TR)の発現レベルが変動するのか否かについて調べた。その結果、情動行動との関連性が示唆されている扁桃体において、ER、TRともに著しい変動を示さなかった。以前の研究より、生後1日齢のOH-PCB暴露マウス脳のERおよびTRは著しい変動を示していることから、OH-PCB暴露による受容体の発現変化は一過性のものであることが示唆された。さらに、今年度はDES暴露による脳撹乱作用の作用発現機構を解明する一環として、DES暴露による脳撹乱作用のエンドポイントのひとつであるpCaMKII増加に関与する分子をプロテオミクスの手法を用いて調べた。その結果、mitochondrial HSP70がDES暴露によるpCaMKIIの増加に伴い増加すること、さらにこれらの分子はマウス脳海馬において共局在していることも確認された。今後はこれらの分子の相互作用など、詳細な分子メカニズムを解明していく必要があると思われる。
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