研究課題/領域番号 |
17790125
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
永井 純也 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20301301)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 塩基性ペプチド / アミノグリコシド系抗生物質 / 低分子量タンパク質 / 腎デリバリー / コンジュゲート / 腎毒性 / エンドサイトーシス / 血中滞留性 |
研究概要 |
これまでに、メガリンリガンドである低分子量タンパク質cytochrome c(Cyto)やlysozyme、塩基性ペプチドN-WASP181-200(N-W)をアミノグリコシド系抗生物質(AG)と併用投与することによって、AGの腎移行が阻害されることを示した。一方、in vitro解析の結果から、Cytoに比べ、N-WASP181-200の強力な腎移行阻害効果が期待されたものの、in vivo解析によるAG腎移行阻害効果は両者においてほぼ同程度であつた。In vivo解析においてN-Wの阻害効果がCytoに比べ増強されない要因として、標的部位である腎近位尿細管管腔中にN-Wが到達する割合が低いことが予想された。そこで本研究では、静注後に効率良く腎移行する特性を有する低分子量タンパク質を腎送達キャリヤーとして応用することを考え、N-WとのコンジュゲートによるAG腎移行阻害効果について解析し、以下の結果を得た。 1、N-WとCytoとのコンジュゲートを作製し、その併用投与によるAG腎移行阻害効果について調べた結果、N-WあるいはCyto併用のいずれの場合と比べても、コンジュゲート化による阻害効果の増強は観察されなかった。 2、N-Wとlysozymeとのコンジュゲート(N-W-lys)について検討したところ、AG腎蓄積に対する阻害効果はN-Wに比べてやや弱かったものの、lysozymeと比較した場合には明確な阻害効果の増強が認められた。 3、合成したN-W-lysを電気泳動したところ、約半分のlysozymeはN-Wと結合していない未反応体として存在することが認められた。 以上の結果より、N-Wとlysozymeとの反応性を高める、あるいはコンジュゲートを分離精製することによって、より低用量でAG腎移行阻害効果を発揮させることが可能になるものと考えられた。
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