研究課題
若手研究(B)
カテプシンBとL、カテプシンDとL、およびBとDのダブルノックアウトマウスにおける中枢神経系の組織構築を検討した結果、生後10日過ぎにおいて、カテプシンDとLのダブルノックアウトマウスにおいてのみ海馬の欠損あるいは低形成となる傾向がしばしば認められた。これは、クロライドチャネルCLC-3欠損マウスの海馬で認められた所見と類似していた。これらのダブルノックアウトマウスにおける所見の差異は、カテプシンD、B、Lの基質特異性の差によることが考えられ、現在最も所見が多く認められるカテプシンDとLのダブルノックアウトマウスと対照群のマウスの生後10日過ぎの全脳組織を用いて二次元電気泳動を行なったところ、カテプシンDとLのダブルノックアウトマウスにおいてのみ明らかに増加しているスポットが数カ所確認された。なお、以前より検討を行ってきたカテプシンD単独欠損マウスに関して、C57BL/6Jマウスを用いて10代以上バッククロスを行ったものが得られたので、生後20日以降の終末期の海馬組織を形態学的に再検討した。その結果、海馬組織の欠損は認められなかったが、海馬のCA1錐体細胞層には細胞死に陥った錐体細胞が多数観察された。カテプシンB、L単独欠損マウスも同様にバッククロスを行なったもので再検討したが、このような変化は全く認めなかった。このことより、海馬組織の維持形成には、カテプシンDが最も重要で、それに加えてカテプシンLが何らかの役割を担っていることが示唆された。
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