研究課題/領域番号 |
17790143
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) 奈良県立医科大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
眞部 孝幸 理化学研究所, 神経分化・再生研究チーム, 研究員 (90382283)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | L3 / Lhx8 / 神経分化 / アセチルコリン / ES / GABA |
研究概要 |
L3/Lhx8 KOマウスへESを移植し、アセチルコリン神経への分化誘導を促し、アセチルコリン神経の再生を大きな目的とした。本年度は、昨年の結果を更に詳細に検討するために、ES細胞の分化条件を細胞間相互作用に焦点を当てて確立した。まず、ES細胞を浮遊培地にてニューロスフェアーに分化させ、ニューロスフェアーのまま(細胞間接着をたもったまま)レチノイン酸を用いて神経系への分化を試みた。このES細胞株は、OCT3/4を恒常的に発現する細胞株で、Lif存在下で増殖能を有し、Lif非存在下では神経系へ分化しやすい特徴を持つ。検討の結果、神経系への分化条件を確立し、以下の実験を行った。 まず、上記分化条件におけるL3/Lhx8ノックダウンの影響を検討した。その結果、L3/Lhx8のノックダウンは、ニューロスフェアーの状態であっても、著明にアセチルコリン神経への分化を抑制した。しかしながら、全神経細胞、アストロサイト、GABA作動性神経への影響は認められなかった。次に、L3/Lhx8を一過性に強制発現させると、アセチルコリン神経分化が著明に増強された。このときにも、全神経細胞、アストロサイト、GABA作動性神経数は変化しなかった。更に、L3/Lhx8ノックダウンによるアセチルコリン神経分化の抑制が、L3/Lhx8の強制発現によりレスキューされるか否かについて検討を行った。その結果、L3/Lhx8を強制発現させると、アセチルコリン神経分化が回復することが明らかとなった。 これらの結果をin vivoに応用させ、アセチルコリン神経分化をコントロールすることによって、アルツハイマー病をはじめとするコリン作動性神経変性疾患の回復に利用できる可能性が示唆された。
|