研究課題/領域番号 |
17790155
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
高橋 信之 生理学研究所, 細胞器官研究系, 助手 (50370135)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アポトーシス / 細胞容積 / RVI / Akt / ASK |
研究概要 |
昨年度までの研究において、(1)モデル細胞として使用したHeLa細胞では、高浸透圧刺激によりAkt/PKBが活性化されること、(2)このAkt(PKB)の活性化を阻害することで調節性細胞容積増大(regulatory volume increase ; RVI)も抑制されること、(3)アポトーシス刺激により、高浸透圧条件下で活性化されたAktが不活性化されること、(4)このアポトーシス刺激によるAkt不活性化にASKが関与することを明らかにした。高浸透圧刺激で活性化されるAktは、細胞の生存に必須であり、さらに抗アポトーシス活性を示すことが知られている。したがってAkt活性化により誘導されるRVIが高浸透圧条件下での細胞の生存に重要であることが予想された。そこで、まず高浸透圧刺激により誘導されるRVIの、細胞機能の維持における重要性を検討した。HeLa細胞を高浸透圧刺激すると、NHE1/AE2の活性化を介したNaCl取込によって、RVIが起こるが、スタウロスポリンやTNF-αなどのアポトーシス刺激によって高浸透圧条件下でのRVIは抑制された。高浸透圧条件下でNHE1ブロッカーであるアミロライドもしくはAE2ブロッカーであるDIDSを添加することでRVIを抑制すると、HeLa細胞でのカスパーゼ活性が上昇した。またMIE1が発現していないために高浸透圧条件下でRVIが起きない細胞株P120細胞では、高浸透圧刺激のみでカスパーゼの活性化が起こり、アポトーシスが誘導されるが、NHE1発現ベクターを導入してRVIが起こる状態にすると、高浸透圧刺激によるカスパーゼ活性化は抑制された。以上のことから、RVIは高浸透圧条件下での細胞の生存に必須であり、アポトーシス刺激はRVIを阻害することによって持続的な容積減少(AVD)を実現していることが示唆される(Maeno, et al. 2006 FEBS Lett.)。
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