研究課題
若手研究(B)
17年度では、消化管に直接脂肪酸を投与するモデルを作製することによって、GPR120を介したGLP-1分泌性を検討した。18年度では、GPR120をもっとも活性化するα-リノレン酸およびα-リノレン酸を多く含むトリグリセリドであるエゴマ油を、長期に投与することによって、長期にわたるこれら脂肪酸およびトリグリセリドがGLP-1分泌に関与するかについて検討を行った。8週齢C57BL/6Jマウスを7日間馴らし飼育の後、エサをクイックファット(Crea Japan)に換えた。α-リノレン酸、エゴマ油および溶媒として用いたPEG400を毎朝10時に100nmol/g体重/100μl(α-リノレン酸当量として)で経口投与を行った。投与0、1、14、28、56日において、ネンブタール麻酔後、開腹し門脈採血を行った。採血後、膵臓、下部消化管および肝臓を摘出後、半分に分割し、一方を液体窒素下で凍結、一方を4%パラホルムアルデヒド下で固定を行った。血漿中のGLP-1(GLP-1 ELISA Kit,和光純薬)、インスリン(レビスインスリンKit、シバヤギ)を測定した。GLP-1はα-リノレン酸、エゴマ油およびL型エゴマ油において、投与1日によりPEGに比して有意に高値を示した。一方インスリンについては、投与28日においてα-リノレン酸、エゴマ油およびL型エゴマ油で、PEGに比して有意に高値を示した。また、投与56日ではPEGおよびα-リノレン酸投与において、高インスリン血症が認められたが、エゴマ油では高インスリン血症は認められなかった。本プロジェクトより、α-リノレン酸を多く含むエゴマ油はGLP-1分泌活性を長期間有することが明らかとなった。
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