研究課題/領域番号 |
17790195
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢野 正人 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (60315299)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アポトーシス / ミトコンドリア / タンパク質輸送 / 膜タンパク質 / 透過孔 / SAM複合体 / Bcl-2 / シトクロムc |
研究概要 |
BaxやBc1-2などのアポトーシス関連タンパク質のミトコンドリア局在には、ミトコンドリア外膜上の装置が関与すると推定されている。本研究では、ミトコンドリア外膜タンパク質輸送装置がアポトーシスに関与する可能性を検討することを目的とし、酵母のミトコンドリア外膜タンパク質輸送装置SAM複合体のヒトオルソログ(SAM50、metaxin2、metaxin1がヒトSAM複合体の構成因子であると推定されている)の解析を昨年度に引き続いて試み、以下の結果を得た。1)架橋実験により、SAM50が直接的相互作用により多量体を形成していることや、metaxin2には約100kDaの未同定因子が結合していることがわかった。2)HeLa細胞からアポトーシスを引き起こす能力を保持したミトコンドリア(アポトーシスコンピーテントミトコンドリア)を回収するのに成功した。アポトーシスコンピーテントミトコンドリアにはBaxが結合しており、BH3-onlyタンパク質であるtBidを添加することで、Baxがオリゴマー化され、シトクロムcが流出することが確認された。このことは、この系がin vitroアポトーシス実験系として使用できることを意味する。3)上述の系を用い、tBidの添加によるアポトーシスの誘導にSAM複合体が直接関与する可能性を調べたが、それを肯定する明確な証拠は得られなかった。一方で、SAM複合体がBc1-2の構造変化を引き起こすことで間接的にアポトーシスを制御している可能性を検討したところ、同じくSAM複合体の関与を明確に示す証拠は得られなかったものの、意外にも、tBidによりミトコンドリアBc1-2が小胞体Bc1-2とは異なる活性制御を受けることを示す結果が得られた。これらの結果から、ミトコンドリアと小胞体とでは、それぞれ異なる因子がBc1-2の活性を制御していると推察された。
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