研究課題/領域番号 |
17790198
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
中村 由和 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60366416)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質 / イノシトール リン脂質代謝 |
研究概要 |
Phospholipase C(PLC)はイノシトールリン脂質代謝系において要となる酵素である。現在までに私達はPLCδ1ノックアウト(KO)マウスを作製し、PLCδ1が体毛形成に重要な遺伝子であることを明らかにしてきた。PLCδ1に最もよく似たPLCとしてPLCδ3が知られている。私達はPLCδ3KOマウスの解析も行ってみたものの、PLCδ3KOマウスには目立った異常は見られなかった。そこで、次にPLCδ1とPLCδ3を同時にKOしたダブルKO(DKO)マウスを作製したところ、これらのマウスはトロボブラスト幹細胞の異常によると思われる胎盤血管減少により胎生致死となることが判明した。そこで、本研究では胎児側胎盤の主な構成細胞であるトロボブラストに着目し、PLCδ1、PLCδ3の機能解析を行うことを目的とした。本年度は、DKOマウスの胎盤において発現が変化している一遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的に検索し、DKOマウスの胎盤において複数の遺伝子の発現に変化が見られることを明らかにした.これらの発現変化があった遺伝子のうち、DKOマウスの胎盤においては、胎盤では本来、発現がほとんどみられないはずの内胚葉系細胞に発現している遺伝子群の発現が顕著に増加していることを見出した.また、RT-PCRおよびin situハイブリダイゼーション法によってもDNAマイクロアレイの結果と同様な結果を得ることができた。最近になり、胎盤には多能性の幹細胞が存在することが示唆されはじめてきている。それゆえ、PLCδ1やPLCδ3はトロボブラストの幹細胞のみでなく、胎盤に存在する多能性幹細胞の分化にも影響を及ぼしており、PLCδ1、PLCδ3の欠損により、これらの細胞から、異所性に内胚葉系の細胞が分化してきてしまったという可能性が考えられた。
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