研究課題
若手研究(B)
申請者は、ヒトゲノムより新規のユビキチンリガーゼの候補遺伝子の1つを発見し、コードされる蛋白質を「SCRAPPER」と名付けた。バイオインフォマティクスで得られた情報から予想されるSCRAPPER分子の特徴から、SCRAPPERは神経終末に存在し、そこで神経伝達物質放出の調節に関わる分子のユビキチン化に関わるユビキチンリガーゼと想定された。本研究では、予想されるSCRAPPER分子の特徴を実証するとともに、SCRAPPER分子の神経シナプスにおける機能を分子レベルで解明することを目的とする。本年度は、蛋白質SCRAPPERの脳組織あるいは神経細胞における局在を作製したSCRAPPER抗体を用い、免疫組織化学、免疫細胞化学実験により検討した。その結果、SCRAPPERは脳組織において神経細胞内で膜への局在を示すことが明らかとなった。海馬初代培養を用いた細胞染色において、シナプスマーカーであるsynaptophysinと共局在したことから、プレシナプスに局在することが明らかとなった。また、昨年度より引き続き検討していた、SCRAPPER標的分子のユビキチン化について、再構成に成功した。現在、これまで得られた結果からSCRAPPER分子の神経シナプスにおける機能について考察を行い、論文としてまとめ、投稿中である。更に、平成18年度は学会発表として国際分子生物学会(日本分子生物学会、日本生化学会、日本細胞生物学会との合同開催)、日本神経科学学会でポスター発表、および、Annual Meeting of the American Society for Cell Biologyのシンポジウムにて口頭発表を行った。
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