研究課題/領域番号 |
17790211
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西田 満 神戸大学, 医学系研究科, 助手 (30379359)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | Ror / Wnt / Dvl / リン酸化 / filamin / アクチン細胞骨格 |
研究概要 |
Wnt5aシグナル伝達系におけるRor2の役割を調べるため、Ror2を発現していないL細胞とRor2を発現しているNIH3T3細胞を用い、それらのWnt5aに対する応答性を比較した。Wntシグナルの活性化は細胞内シグナル伝達因子Dvlのリン酸化を誘導するため、Wnt5aに対する応答性はDvlのリン酸化を検出することによって評価した。解析の結果、NIH3T3細胞ではWnt5a刺激によってDvlがリン酸化されるのに対し、L細胞ではRor2の強制発現依存的にDvlがリン酸化された。したがって、Ror2の発現がWnt5aによるDvlのリン酸化に重要な役割を果たしていることが示唆された。次にRor2遺伝子欠損マウス胚(Ror2-/-)および野生型マウス胚(Ror2+/+)より単離した胚性線維芽細胞(MEF)を用いてWnt5a刺激によるDvlのリン酸化動態の解析を行った。その結果、Ror2+/+MEFにおいてはWnt5a刺激依存的にDvlのリン酸化が認められたのに対し、Ror2-/-MEFにおいてはそのリン酸化は認められなかった。したがってRor2はWnt5aによるDvlのリン酸化に必要であることが明らかになった。Dvlのリン酸化はWnt5aのほか、異なるタイプのWntであるWnt3aなどによっても引き起こされることが知られている。そこでWnt3aを用いて同様の解析を行った結果、Ror2+/+MEFとRor2-/-MEFにおいてWnt3a刺激によるDvlのリン酸化が同様に検出された。したがって、Ror2はWnt3aによるDvlのリン酸化には必要ではないことが明らかとなった。本研究からRor2はWnt5a特異的なDvlリン酸化制御を担っていることが明らかになった。
|