研究課題/領域番号 |
17790234
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
向所 賢一 滋賀医大, 医学部, 助手 (50343223)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | Barret食道 / 十二指腸液 / ラット / 逆流モデル / PPI |
研究概要 |
Barrett食道の発生に関しては、胃酸だけでなく、十二指腸液を含む胃液の逆流が重要であるとの報告が多く見られるようになった。このことを検証すべく、動物モデルを用いて、Barrett食道や食道腺癌を発生させる研究が多く行われてきたが、多くのモデルが胃を切除するか、胃-食道接合部を切離するために胃液の関与を検討するというより、十二指腸液逆流の関与を検討したモデルが中心であった。我々は、ヒトに近似した逆流様式を示す十二指腸液逆流モデルの確立を目標としているが、本年度は、1)胃液のみの逆流モデル、2)少量の十二指腸液を含む胃液の逆流モデル、3)大量の十二指腸液を含む胃液の逆流モデルを作成し、手術後20週にて粘膜障害の程度にて検討した。その結果、明らかに十二指腸液を含む胃液の逆流モデルにおいて、粘膜障害が強かったのである(消化器の臨床2006)。手術後20週では、いずれのモデルもBarrett食道の発生は認めなかったものの、3)の大量の十二指腸液を含む胃液の逆流モデルでは、食道潰瘍及びhyperplasiaと軽度のdysplasiaを認め、術後週数を延長すれば、これまで報告されてきた他の十二指腸液逆流モデルと同様にBarrett食道や食道癌の発生が期待できると考えられる。今年度の結果から、胃液単独よりも十二指腸液を含む胃液の逆流の方が、粘膜障害が強いことが分った。また、本年度は、本研究課題に関連して、Barrett食道が発生する食道を含む全消化管の共通機構であると提唱してきたGut Regenerative Cell lineage(GRCL)において、腸型の形質発現及び維持に関係するといわれるホメオボックスCDX2が関与していることを報告した(Tatsuta T et al., 2005)。
|