研究課題/領域番号 |
17790251
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
外丸 詩野 北海道大学, 大学院医学研究科, 講師 (20360901)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ウイルス感染 / HTLV-I / メモリーT細胞 / 慢性ウイルス感染症 / T細胞分化 |
研究概要 |
本研究では、ヒトレトロウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-I)に着目し、HTLV-I関連疾患である脊髄症(HAM/TSP)を発症した患者におけるT細胞免疫応答を解析した。HAM/TSPではT細胞による過剰な免疫応答が疾患発症に関連している可能性が高く、また免疫抗原となるウイルスペプチドの研究が進んでおり、慢性ウイルス感染症におけるT細胞の免疫応答と関連疾患発症のメカニズムを研究するモデルとして有用である。本研究計画では、申請者が最近樹立した人工的抗原提示細胞を用いた解析法を応用し、ウイルス抗原に対する(1)CD8+T細胞による免疫応答、(2)CD4+T細胞による免疫応答、を患者血液から樹立したT細胞クローン、あるいは末梢血を用いてした。 研究期間では、(1)に関してウイルス抗原に対するCD8+T細胞による免疫応答の詳細な解析を行い、HAM/TSP患者では他の慢性ウイルス感染症に比べ、CD8+T細胞において細胞障害活性の低いintermediateな分化段階を示すメモリー細胞が集積している傾向にあることがわかった。また、(2)に関しては、新たに樹立したHLA-DRB1^*0101-GFP分子を発現する人工的抗原提示細胞のコントロール実験を行った。樹立したHLA-DRB1^*0101-GFP分子を発現する人工的抗原提示細胞では良好なHLA-DRB1^*0101-GFP分子の細胞表面での発現が観察され、蛍光顕微鏡による解析ではCD4+T細胞との接着1や細胞反応が認められた。現在、ウイルス抗原特異的CD4+T細胞の機能解析を継続的に行っている。今後は研究期間内での研究結果をふまえて、慢性ウイルス感染症におけるウイルス感染のコントロール機構や免疫破綻のメカニズムを解析し、新たな発症予防.治療戦略を展開する。
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