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脳腫瘍発生時におけるミクログリアを中心とする脳内免疫機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17790270
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

新井 義文  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (30381784)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード脳腫瘍 / ミクログリア / toll-like receptors / 神経細胞培養
研究概要

1.ヒト脳腫瘍組織内でのミクログリアの分布と性質を知る目的で、総計28例の星細胞腫、乏突起膠腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍においてIba1抗体を用いて免疫組織学的にミクログリアの同定を行った。悪性リンパ腫をのぞき腫瘍内部でのミクログリアの分布は乏しく、むしろ腫瘍周辺部や壊死周囲に比較的多数分布する傾向がみられた。とくに転移性脳腫瘍や悪性度の高い星細胞腫、乏突起膠腫ではその傾向が明瞭であった。Iba1陽性細胞の多くはしばしばCD68と共発現を示し、腫瘍に関連して脳内で増殖したミクログリアなのか血流によって侵入した単核球由来の細胞なのか鑑別が困難であった。また、MRC class IIの発現は一般に低く、パラフィン包埋された標本であったためtoll-like receptorsの免疫染色は判定が難しかった。悪性リンパ腫では腫瘍内部にもIba1陽性細胞が観察された。
2.培養細胞系におけるミクログリアのin vitro抗腫瘍効果を判定するため、マウス新生児脳組織から取り出した初代培養細胞からミクログリアの抽出を試みたが、ミクログリア優位の培養系確立が困難であったため、脳腫瘍細胞株との共培養系を用いたミクログリアの形態や性質の変化は判定不能であった。市販のラットミクログリア細胞株の培養も平行して実施したが経代できず、in vitro環境でのミクログリア抗腫瘍効果は判定に至らなかった。
3.マウスを用いた脳腫瘍移植モデルにおいては、腫瘍細胞移植に伴う水頭症の出現や移植操作で生じた脳組織の損傷に対する反応など、腫瘍増殖とは異なる機序で発生したと考えられる炎症反応が組織像の前面に現れ、腫瘍発生とミクログリアの関係を検証する実験系が得られなかった。しかし、成熟した個体へ腫瘍細胞を移植したものと比べ、新生児個体へ移植した腫瘍細胞のほうが明瞭な増殖性変化を示し、これはミクログリアをはじめとする新生児期の脳内免疫機構の不完全さに由来するものと推測された。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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