研究課題/領域番号 |
17790271
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長谷川 豪 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80383751)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | HLA-A24トランスジェニックマウス / 腫瘍抗原 / T細胞エピトープ |
研究概要 |
本研究の目的は、HLA-A24に結合するヒト腫瘍抗原T細胞エピトープの効率的な同定システムの確立と、それを用いた新規エピトープペプチドの同定である。昨年度の本研究で、新HLA-A24結合性ペプチド予測プログラムを用いて、本研究室で同定した腫瘍抗原および既知の抗原63種につきHLA-A24結合性ペプチドを予測・合成し、HLA-A24トランスジェニックマウスに免疫して、ペプチド特異的なCD8^+ T細胞の反応評価系を確立した。これにより、腫瘍抗原14種中8種で反応がみられ、新規アルゴリズムにより既知アルゴリズムでは見落とすT細胞エピトープが同定できることを示した。本年度は、HLA-A24トランスジェニックマウスで同定した候補ペプチドを用いて、健常人末梢血より腫瘍抗原特異的T細胞の誘導を試みた。抗原PAX3、FCRL、CAGE、CRT2、BORISに関して、健常人末梢血リンパ球から、樹状細胞を用いたin vitro T細胞誘導を行ったところ、HLA-A24トランスジェニックマウスで得られたものと同じペプチドで特異的なIFN-γの産生がみられた。また、CRT2ペプチド特異的CD8^+ T細胞の癌細胞の認識をCr遊離アッセイで検討したところ、CRT2陽性HLA-A24陽性の501melメラノーマ細胞株に対し傷害性を示し、この反応は抗HLA-A24抗体により阻害された。これらの結果から、HLA-A24トランスジェニックマウスを用いた系で同定したエピトープペプチドは、ヒト末梢血リンパ球を用いたin vitro T細胞誘導においても高率にペプチド特異的な反応がみられ、本研究で確立した系により効率的にHLA-A24結合T細胞エピトープの同定を行える可能性が示唆される。今後、本システムを用いてより多数の腫瘍抗原T細胞エピトープを同定し、健常人のみならず患者末梢血より、癌細胞を認識する腫瘍抗原特異的T細胞の誘導を行う。
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