研究課題/領域番号 |
17790286
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中野 政之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, COE研究員 (60398005)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 腸炎ビブリオ / ノルエピネフリン / 病原性 |
研究概要 |
腸炎ビブリオは日本における細菌性食中毒の主要な原因菌の1種であり、下痢を主症状とした臨床症状を呈することが知られている。これまでの研究により、腸炎ビブリオの病原性に関与することが示唆される因子が数多く報告されている。このような病原因子は菌体外の様々な要因により産生量が異なることが知られているが、感染時には菌体に何らかの影響を与えることが想定される生体物質(ホルモンなど)が病原因子の産生量など菌体に与える影響は不明である。そこで、本研究では生体ホルモンであるノルエピネフリン(NE)に着目し、病原菌の病原性に対する影響を解析することを目的とした。NEは小腸上皮より大量に産生することが知られており、腸管病原細菌の病原性に何らかの効果をもたらすことが示唆されている。 はじめにNEが腸炎ビブリオの病原性に対する効果の有無を確認するために、腸管上皮由来のCaco-2細胞に対する細胞毒性効果について解析を行ったところ、NE存在下ではNE非存在下と比較して細胞毒素効果の有意な上昇が認められ、NE存在下において細胞毒性に関与することが示唆される腸炎ビブリオの病原関連遺伝子のmRNA産生量の有意な上昇も確認された。また、腸炎ビブリオによる下痢発症の動物モデルである腸炎結紮ループ試験を用いた腸管毒性効果に対するNEの影響について解析を行ったところ、細胞毒性効果の場合と同様にNE存在下では非存在下と比較して腸管毒性効果の有意な上昇が認められた。以上のことより、NEは腸炎ビブリオの病原性(細胞毒素と腸管毒性)を高め、それは腸炎ビブリオの病原性に関与することが示唆される遺伝子の発現上昇によるものであることが示唆された。
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