研究課題/領域番号 |
17790289
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
TOMA Claudia 琉球大学, 大学院医学研究科, 助手 (40325832)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 大腸菌 / 接着因子 / 志賀毒素 / Saa / HEp-2細胞 / 下痢原性大腸菌 / LEE / Long polar fimbriae / phylogenetic group / PCR |
研究概要 |
LEE遺伝子群にコードされない接着因子の一つとしてPatonらが2001年に外膜蛋白Saa (STEC autoagglutinating adhesin)を報告し、STECワクチンの候補分子であることを示唆した。saa遺伝子は菌株によってC-末側に存在する37-aa direct repeat sequenceの数が異なりrepeat数が多い程接着能が高いということが報告されている。本年度はLEE遺伝子群にコードされない接着因子-Saa-に注目し解析を行った。 Saaを保有するSTEC32株についてSaaのvariantを調べたところ、6つのvariantが同定され、今まで報告されていた5つのvariantの他に、今回、一つだけのrepeatを持つ株を新たに見出した。また、Saa特異的抗体を作成し、発現を調べたところ32株中30株はSaaを発現していることがWestern blottingで確認できた。saa遺伝子を保有する32株中HEp-2細胞へ接着能を示したのは14株であった。C-末側のrepeatの数が少ない株でもHEp-2細胞によく接着し、C-末側のrepeatの数が多い株でも接着しなかったりして、HEp-2細胞への接着能とC-末repeat数との間に相関性は認められなかった。また、14株中9株の接着能は1%マンノースで抑制されたことからマンノース感受性の新たな接着因子が存在する可能性が示唆された。STEC血清型O113:H21、98NK2株のSaa欠損株を作製したところ接着能の低下が認められたが、マンノースによる接着能の抑制は、野生株及びSaa欠損株においてもみられた。しかし、STEC血清型O117:H21、T141株のSaa欠損株を作製したところ接着能の低下は認められず、マンノースによる接着能の抑制も認められなかった。 intiminを保有しないSTEC株の接着機構は接着因子であるSaaを保有しているにも関わらず多様であることから、Saaを標的とした菌の接着阻止の方法は困難ではないかと考えられた。
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