研究課題/領域番号 |
17790290
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
井坂 雅徳 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (40336673)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 安全性 / コレラ毒素 / 嗅球 / 顔面神経麻痺 / 経鼻投与 / アレルギー |
研究概要 |
コレラ毒素Bサブユニット(rCTB)の粘膜投与後の中枢神経系への影響の詳細な報告はまだされていない事から、脳、鼻腔等の組織切片の免疫染色法、HE染色法等により神経組織の影響を調査した。実験としてはコレラ毒素(CT)、rCTB経鼻投与マウスの脳、嗅球の凍結切片作製とヘマトキシリンヒオジシHE染色、抗CTB抗体による免疫染色による脳組織への移行性と組織への影響、ヒトで報告された顔面神経麻痺(ベル麻痺)から推測し、ベル麻痺の原因ウイルスであると言われている単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)感染マウスモデルの作製、HSV1感染マウスへCT、rCTB経鼻投与後の顔面神経麻痺の観察、顔面神経麻痺マウスの組織観察とNested PCR法によるHSV特異的DNA断片測定を行った。 コレラ毒素(CT)、rCTB経鼻投与マウスの脳、嗅球の脳組織への移行性と組織への影響を観察した結果、HE染色で検討するとrCTB経鼻投与マウスの嗅球は、組織的変化、炎症性細胞の浸潤等は全く見られなかった。一方CTの場合、上皮の剥離が著明で、糸球体構造も不規則な形態を取り、切片作製でも組織自体が固定しづらく不安定な状態であった。抗CTB抗体による免疫染色では、両者共に経鼻投与を行うと、嗅球の糸球体、僧坊細胞層にまで移行する事が示された。HSV1感染マウスへCT、CTB経鼻投与後の顔面神経麻痺の観察をすると、CT経鼻投与マウスの一部に、ウイルス投与側の目に麻痺を観察した。CTB, PBSコントロールでは観察されなかった。Nested PCRによる特異的DNA断片は、CT経鼻投与マウスの一部で測定された。以上の結果はウイルス投与マウスで観察され、ウイルス非投与群では観察されなかった事から、ヒトに経鼻投与されたワクチンに混入した大腸菌易熱性毒素による影響でベル麻痺が発症したと推測される。
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