研究課題/領域番号 |
17790308
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
團迫 浩方 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80379841)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | C型慢性肝炎 / EGFP / 全長HCV RNA複製細胞 / 適応変異 / スクリーニング / インターフェロン / 治癒細胞 |
研究概要 |
C型慢性肝炎患者に対する治癒率の改善のためには、現在のインターフェロン(IFN)とリバビリンの併用療法の改善だけでなく、IFNよりもC型肝炎ウイルス(HCV)の排除に効果的な薬剤をスクリーニングすることも重要である。そこで、従来のシステム(レポーター蛋白質の酵素活性を利用し、細胞内のHCV RNA複製レベルを定量、しかし生細胞のままの定量は困難)より簡便かつ安価に大規模な薬剤スクリーニングを遂行するために、緑色蛍光蛋白質であるEGFPをレポーター蛋白質に用いて、生細胞のままHCV RNA複製レベルの定量を可能にするシステムの開発を試みた。前年度までに、このシステムに必要なEGFP遺伝子を含む全長HCV RNA複製細胞を数クローン樹立することができ、細胞内でのHCV蛋白質およびEGFPの発現や、EGFPによる蛍光は観察できている。今年度は、この樹立した全長HCV RNA複製細胞を用いて、生細胞のままHCV RNA複製レベルを定量できるシステムの構築を行った。樹立できた数クローンのうち、OGN/C-5B/KE細胞(EGFP遺伝子をネオマイシン耐性遺伝子の前に、また適応変異としてNS3領域にK1609Eのアミノ酸置換を導入した全長HCV RNAが持続的に複製している細胞)のあるクローンが最も効率よく経時的に蛍光強度を上昇していることが確認できた。この細胞にIFN-αを処理し、その蛍光強度を生細胞のまま測定したところ、IFN-αの濃度依存的に減少していた。また、その値は、リアルタイムPCR法により定量したHCV RNA量と相関していた。また、ウエスタンブロット法により、EGFPやHCVコア蛋白質も減少していることが確認された。IFN-α以外に、HCVの排除に効果を示すことが報告されているIFN-β、IFN-γ、シクロスポリンAやフルバスタチンを同様に処理したところ、その蛍光強度とHCV RNA量の値は相関していた。また、IFN-αとシクロスポリンAあるいはIFN-αとフルバスタチンの併用処理は、それぞれの単剤処理に比べ、その蛍光強度は減少していた。これらの結果は、生細胞のままHCV RNAの複製レベルを定量することができるシステムを開発することができ、また、種々の薬剤処理も可能であることを示している(今研究実績は、現在、投稿準備中である)。
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