研究課題/領域番号 |
17790312
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松田 剛 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 協力研究員 (60392130)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 核小体 / 細胞内局在 / タンパク質精製 / 遺伝子導入 / レポーターアッセイ |
研究概要 |
1、NCp7の核小体局在部位を調べた。N末および中央の両塩基性アミノ酸をAla置換した変異体は、著しく核小体局在が減弱した。また、NCp7の二つのZn fingerドメイン内のHisをAla置換した変異体は核小体に残留したままであった。これらの結果から、NCp7は塩基性アミノ酸を介して核小体に局在することが示唆された。 2、次にNCp7の核小体局在の原因を調べた。NCp7-EGFPをHeLa細胞内に発現させ、Triton処理後ホルマリン固定を行い、その局在を観察した。その結果、核小体の局在はそのままであった。よってNCp7はタンパク質を介して核小体に局在していないことがわかった。またDNase処理による変化もないことより、RNAを介して核小体に局在することが示唆された。 3、GST-NCp7-EGFPのタンパク質精製行ったが、4度保存で沈殿した。保存条件の検討が必要である。 4、Biochem J.2006 Sep 15;398(3):475-84.にてウイルスプラスミドを用いた実験で、ウイルス因子が無い状態でも、核小体にプラスミドが取り込まれる結果が報告された。このことはNCp7は核小体にウイルスDNAを運ばない間接的な結果であった。また、NCp7は単独では細胞質局在であるが、EGFPを融合させて核へ入れた場合のみ一時的に核小体に局在する結果が得られた。驚くことに、NCp7-EGFPの塩基性アミノ酸変異体あるいはZinc finger変異体は共に核局在が強まった。この結果はNCp7が核小体を経由して核外移行を行うという新たな機能の発見を示唆している。 5、今回の研究で、NCp7を核小体へプラスミドを運ぶツールとしては不適切なため、核小体でのプロモーター解析を行えなかったが、NCp7の新たな機能を発見することができた。この成果は新たなエイズ治療につながる研究になると考えている。
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