研究課題/領域番号 |
17790319
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 伸一郎 (斉藤 伸一郎) 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90361625)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | TLR4 / PLD / LPS |
研究概要 |
樹状細胞やマクロファージなどの細胞表面上に発現しているToll-like receptor 4(TLR4)が、グラム陰性細菌の成分であるリポポリサッカライド(LPS)のレセプターであることは明らかであるが、どのようにしてLPSに結合した後に活性化するのかに関して明らかでは無かった。我々はまずそれを明らかにした。TLR4がその細胞外領域にMD-2と呼ばれるアダプター分子と結合しており、CD14を介してLPSがMD-2に結合することでTLR4が多量体を形成することを明らかにした。そしてTLR4は多量体を形成することで活性化することを明らかした。次にTLR4の多量体形成にはMD-2が深く関わっていることを明らかにした。MD-2がなければTLR4は多量体を形成しないばかりか、MD-2のアミノ酸配列を変えることによって、LPSの種類の中であるものがアゴニストになったりアンタゴニストになったりすることを示した。アゴニストの場合、アゴニストがMD-2に結合した後にTLR4の多量体形成が認められ、アンタゴニストの場合TLR4の多量体形成は認められなかった。このよう'なTLR4の多量体形成は我々が作成したTLR4GFPとTLR4Flagを発現させたBa/F3細胞を用いて、容易に検討できるようになった。つまりこの細胞を用いてTLR4のアゴニストとアンタゴニストの検討が可能であることを示したと考えている。さらにTLR4の多量体形成後を詳しく調べることにより、TLR4は細胞表面上より細胞内にエンドサイトーシスすることを明らかにした。そしてTLR4がエンドサイトーシスしなければ、TLR4の多量体形成が長く続いてしまうことも明らかにした。つまりTLR4はエンドサイトーシス後にエンドソームやライソソームに入り、そこでTLR4の多量体は解体した。我々は今、細胞内でのTLR4の活性化とTLR4のエンドサイトーシス、そしてMyD88非依存的シグナル伝達の活性化を検討していくつかのデータを得ている。そこにPHOSPHOLIPASE D(PLD)が関わっているのかどうか検討中である。
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