研究課題/領域番号 |
17790327
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00285024)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 自然免疫 / 補体 / レクチン経路 / MASP / バキュロウイルス / MASP欠損マウス |
研究概要 |
本研究の目的は自然免疫で異物排除に働く補体レクチン経路に関与するMASPタンパク群を欠損したマウスを用いた感染実験を行い、MASP分子群やsMAPの生体内における役割を包括的に明らかにすることであった。MASP-2遺伝子からはプロテアーゼ活性を有するMASP-2の他にMASP-2のプロテアーゼドメインを含むC末端側の部位を欠損したsMAPというタンパク質が翻訳される。sMAPはMBLと複合体をつくっていることはすでに報告した。sMAP特異的エクソンを欠損したマウスの作製に成功し、このマウスにおいてsMAPに加えてMASP-2も欠損していることが確かめられた(Iwaki, D.ら(2006)J.Immunol.)。さらにリコンビナントのsMAP(rsMAP)を作製し、MBL複合体に加えると結合しているMASP-2の量が加えたrsMAPに応じて減少し、MASP-2による補体活性化能が低下することがわかった。このことはsMAPがMASP-2のMBLへの結合に拮抗的に働き、MBL複合体の補体活性化を負に制御する因子であることを明確とした。さらに以前に別のMASPであるMASP-1およびMASP-3を欠損したマウス(MASP1/3KO)を作製することに成功し、論文を準備中であるが、このマウスにおいても補体活性化の程度が減じていることが確かめられている。プロテアーゼ活性を持つ3つのMASPを欠損したマウス(MASP null)をMASP2/sMAPKOとMASP1/3KOの交配で作製することに成功し、このマウスにおける補体活性化の程度をzymosanやmannanへのC3分子の沈着量で評価した。その結果、MASP nullではC3分子の沈着がほとんどみられなかった。この結果は3つのMASP分子群が協調的に補体を活性化していることを強く示唆した。MASP-1は直接C3を活性化することが報告されているが、その活性が弱いために生体内での役割は未だ明確ではない。本研究の中でMASP1/3KOでの補体活性化能を詳細に検討した結果、第2経路の活性化に異常があることがわかった(論文準備中)。現在、その詳しいメカニズムの解明を目指し、さらに検討を行っているところである。
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