研究課題/領域番号 |
17790343
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
板井 孝一郎 宮崎大学, 医学部, 助教授 (70347053)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 臨床倫理 / 倫理コンサルテーション / 事前指示書 / ALS / 患者の自己決定 / 人工呼吸器 / case-based approach / UK Clinical Ethics Network |
研究概要 |
平成18年度は、NHO宮崎東病院神経難病病棟の協力のもと、具体的なフォーマット検討とパイロットスタディを行い(倫理審査は宮崎東病院倫理委員会にて認可済)、東病院内に常設型倫理コンサルテーションルームを平成17年5月より開設し、病院スタッフに気軽に足を運んでもらうために「カフェ・スタイル」とし、【かふぇ☆りんり】と名付けた。基本的に毎週、水曜又は木曜の18時から20時30分まで、報告者が「臨床倫理コーディネーター(倫理コンサルタント)」として常駐し、主に神経難病病棟スタッフからの倫理相談を受け付けながら、「私の希望書」運用症例についても検討を行った。2005年5月から2006年12月までの利用状況については、以下の通りであった。(1)延べ利用者数177名、(2)利用者内訳(延べ人数)〔医師21名、看護師104名、MSW7名、児童指導員18名、その他27名〕。また、「倫理問題協議会」においても、「私の希望書」運用症例についても検討を重ねる中、判断能力のある14名のALS患者(平均年齢65.2歳±10.0歳)のうち、12名の患者に対し「私の希望書」を提示したところ、2名は記入を希望せず、4名は記入するかしないかの意思表示が最後まで不明なままとなり、6名の患者が記入を希望した。その中で実際に記入があったのは4名であり、2名は結局、記入には至らなかった。医療スタッフへの倫理的支援体制、いわゆる「倫理コンサルテーション」のシステム構築を伴った組織的対応がとられることなく、もし「書類のみ」としての事前指示書運用がなされるなら、それは医療現場に混乱をもたらすだけでなく、「文書だけ」を独り歩きさせてしまい、最も大切な患者自身を置き去りにしてしまうことになるだろう。以上のことから、いわゆる「事前指示書」を臨床現場にて運用するにあたっては、決して「書類」を独り歩きさせないよう、医療者がチームでアプローチし、患者・家族の揺れ動く心理に寄り添える「体制づくり」を進めること、その際には医療者を支援する「倫理コンサルテーション・システム」の構築が不可欠であることを強調しておきたい。
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