研究課題/領域番号 |
17790362
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
近藤 朋子 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (70374254)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | フタル酸 / DEHP / 吸入曝露 / 生殖 / 毒性 |
研究概要 |
本研究は、DEHPの吸入曝露による生殖への影響、特に生殖器官形成期である思春期前、次世代影響を明らかにする目的で、離乳後の幼若ラットを用いた吸入曝露実験を行った。曝露影響を評価する場合、生殖器の奇形などの肉眼的な変化に焦点を当てた高用量のみの研究では、胎児期、幼若期曝露に関して正確な安全濃度を提示することができない。そこで、ヒトが実際に曝露される可能性があるバックグラウンドレベルに近い低濃度と、高濃度で吸入曝露しその影響を検討した。 平成18年度は幼若期吸入曝露による雌性生殖への影響を検討した。離乳後の幼若メスラットにDEHPを8週間曝露し、曝露期間中、思春期の発来を膣開口から調べ、その後の性周期も記録した。曝露後、解剖を行い血清ホルモン濃度、卵巣ステロイド合成酵素mRNAの発現を定量し、思春期の発来と生殖機能との関連を検討した。 その結果、幼若メスラットでの、膣開口と発情期の日齢がコントロールに比べて早まった。また、各曝露濃度群での性周期は高濃度での異常性周期が高くなった。血清エストラジオールは、曝露群で減少傾向が見られたが、有意差は認められなかった。血清FSHも曝露群で増加傾向が見られたが、有意差は認められなかった。血清LEは有意差が認められなかった。さらに、卵巣ステロイド合成酵素mRNA発現量について調べたところ、アロマターゼmRNA (CYP19)発現量が高濃度曝露群において有意に上昇していた。 今後は、曝露を行った個体の生殖巣での影響を組織学的に検討し、妊娠中曝露での影響も明らかにしていく予定である。
|