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ロタウイルスはなぜ脳症を引き起すのか?

研究課題

研究課題/領域番号 17790402
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 公衆衛生学・健康科学
研究機関大阪府立公衆衛生研究所

研究代表者

左近 直美  大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (50291216)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードロタウイルス / 中枢神経症状 / 抗原血症 / ノロウイルス
研究概要

下痢症患児249例中、痙攣重積、意識障害または脳症を併発したのは25例(10%)あり、便中のロタウイルス(RV)陽性は2例(19.5ヶ月)、ノロウイルス(NoV)陽性は13例(26.7ヶ月)であった(括弧内平均月齢)。RV陽性症例の髄液ついて髄液中のVP6およびNSP3の検出を試みたが陰性であった。また、中枢神経症状がなく輸液時等に採血が可能であった14症例中、RV陽性は0件、NoV陽性が12件あり、血液中のNoVの検出を試みたが全例陰性であった。RVは腸管上皮細胞に感染後何らかの経路を経て血中に侵入しているとされているが、NoVではこのような状態は起きていないと考えられ、症状も軽度であった。
腸管外におけるRVの状態を明らかにするためNSP3,VP7のnested PCRを試みた。RV感染時に中枢神経症状を併発し、血中VP6抗原陽性3検体およびVP6(323bp)陽性CSF7検体は全例陰性であった。一方で、これらの血清中におけるVP6抗原値は高い。1999年〜2002年5月の中枢神経症状併発患児の平均年齢はRVで27.8ヶ月、NoVでは13.7ヶ月であったことから、免疫系の反応に注目し髄液中サイトカイン遺伝子の発現検出を試みたがRVに特有な発現は認められず、免疫の過剰な反応による重篤化は考えられなかった。
RV感染時の抗原血症は通常のウイルス動態と考えられるようになってきた。Bluttらはウイルス血症を証明したが症状との相関は不明である(PLoS Med.2007 Apr;4)。血中、髄液中からVP6遺伝子を本年は検出できず、また他の遺伝子を検出できなかったことから下痢症または中枢神経症状発症から採取までの時間が重要であると考えられた。さらに、粒子として腸管外に存在することは難しく非常に短期間で消失すると思われ、腸管外におけるRVの存在と重篤化の関連は見いだせなかった。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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